~3つの仕事と、グループホーム、経験を積んで大人になったTさん~
あゆむに入るまでのこと
Tさんがはじめてあゆむを利用したのは19才のとき。高校を卒業してスーパーの惣菜コーナーに就職。初めての就職でわからないことも不安もいっぱいだったTさん。まわりの方にうまく質問したり、相談したりすることができず、支援者にもうまく伝えられず、ストレスをためてしまい、3カ月でやめました。そこから、「今度は長く仕事をつづけたい」と、あゆむの訓練を利用されました。
職場に信頼され、6年勤務
Tさんは軽度の知的障害と、発達障害があります。調子が悪くなると、細かいことが気になり、何度も確認をしてしまいます。あゆむでは、ストレスをためないように相談することや、気持ちのきりかえを練習し、調味料製造の工場に就職。最初はかんたんな仕事からでしたが、だんだんと調合もまかされるようになりました。商品によってちがう材料を調合していくようなむずかしい仕事も、ノートにきちんとメモし、一人でこなせるようになり、4年後には正社員に。「本当に自分のした仕事はだいじょうぶかな?」と不安になることもありましたが、そのつど上司に相談できるようにもなりました。ストレスがたまりすぎないよう、Tさん、会社の方、あゆむで話し合いながら、6年間勤めました。その後、会社の規模が大きくなり、まかされる仕事も増え、負担が大きくなったため、あゆむに戻って転職先を探すことになりました。退職はしましたが、正社員になるぐらい会社の方に信頼され、6年間がんばったことは大きな成長でした。
転職、そしてグループホームへ
あゆむに戻ったTさんは、調子を整え、現在の職場である食品製造会社に再就職。現在は、製造されたハム、ハンバーグなどのラインで、最後に梱包する作業を担当しています。やり方が決まっている作業が中心なので、以前より負担が少ないとのことでした。また、職場の方に定期的な面談をお願いしていて、しっかり相談できています。
そうして、職場にもなれた現在、生活面のステップアップのため、親元をはなれ、グループホームに入りました。これまで家族にたくさん相談し、家事もしてもらっていたTさんですが、現在は世話人さんに相談しながら、そうじやせんたく、お金の出し入れなど、自分ですることにチャレンジしています。
現在29才になるTさん。20代に3つの仕事を経験し、いろんな仕事ができるようになりました。うまくいかないこともあったからこそ、相談する力も身についたし、自分に合う働き方をみつけることができたと思います。そして、自立にむけてさらにグループホームへ。いろんなことにチャレンジし、素敵な大人になっているTさんです。